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プロとアマチュアの違い。

カメラの話

プロアマチュアの違いについて意外と書かれている情報が少なく、ハイエンドアマチュアの方がプロ並みの機材の必要性を説かれていることもあったりするので、初めて買われる方は機材のグレードをどう考えたら良いのか分かりにくいかも知れません。
私は、同級生や友人、身内にプロのカメラマンがおり、仕事でも長くプロのカメラマンと付き合い(こちらが撮るべき写真の内容を決めて撮影を依頼するという間柄)があるので、彼らから教えてもらった知見や感じることを記してみたいと思います。

プロの選択基準

ここで言うプロとは、ビジネスとしてクライアントから依頼を受けて撮影をする人のことです。Youtuberとして写真で収益を得ている方や、趣味の延長で撮影して報酬をいただいているという方はここでいうプロには該当しません。
またプロと言ってもアーチスト的なプロや専門分野のプロと商業カメラマンでは少し違います。アーチストや専門分野のプロはいわば特殊な撮影が多いので一般的な参考にはなりにくいです。ここで言うプロは一般的な商業カメラマンです。

写真のプロが高性能な機材を買うのは「良い写真」を撮るためもありますが、「確実に」「効率良く」撮るためとお客さんに満足してもらうためです。仕事で請け負っている彼らには「撮れませんでした」はあり得ません。またギャラと勘案して余り長い時間をかけて撮っていては商売になりません。「早く確実に」依頼された写真を撮れることが求められます。

そのために高スペックであったり「もし何かあったときのために」オーバースペックやサブカメラを持っていたりするわけです。さらに、依頼する人は写真のプロばかりではありませんから、素人にも満足いただける仕事をしなければなりません。求める写真がそこまでの画像品質が必要かどうかは別にして「プロの機材で撮影した写真」というのも満足のひとつになります。

あるいは、自身の専門分野に適したスペックを選びます。フットワークが最優先される現場では、高スペックより装備の軽さが優先される場合もありますし、いろいろな要望に対応できるだけの体制が必要です。また、商業カメラマンのプロの場合、概ね用途(印刷物とか雑誌とかWEBとか)がはっきりしていますので、写真の精度もそれを念頭に撮ります。ムダなことをしてもお金にならないからです。

そういう現場で選ばれる装備と趣味で撮る写真の装備は選ぶ基準が違います。とにかくお金をもらって撮るプロは撮影した写真をお客さんに満足してもらわなければなりません

また、撮った写真を納品する作業もあります。基本的にはRAWで撮影し現像してJPEGや依頼者指定のファイル形式で納品するというスタイルだと思いますが、貸し出しなどの写真ではTIFFで保存したりもします。そういった写真は、一定の期間保持しておかなくてはなりません(仕事の内容にもよりますが)。フルサイズのカメラで日々撮影したデータを保存するには相当な容量のストレージが必要です。

趣味で使うカメラとは

一方、趣味の撮影は自分が満足すれば良いのです。ですから、軽さを優先してデジカメで撮った写真で充分満足ならそれでも充分です。実際、かつては重いハイエンドカメラと超望遠を使っていたけど、高齢になられて軽いハイエンドコンデジで撮られている野鳥ファンも少なくありません。

カメラ機材は、基本的にお金をかけるだけ高性能になり期待を裏切りません。しかし、高性能な機材はそれを使う知識や技術も必要であり高額で重くもなったりします。

個人的には一般的な写真趣味ではプロが使うような機材は不要だと思います。ただ、こだわりがエスカレートしたり「ハイエンドの機材を使う」という楽しみがあるのも事実です。舗装された都会をハイエンドなオフロードクルーザーで走るみたいなものですね。操作する気分やその性能差を味わうという楽しみはあります。そのために予算が割けるのであればまったく構わないと思います。ビジネス的に言えば、そういったハイエンドアマチュアがプロの機材を買ってくれることでマーケットが保持され、新しい技術開発が行えたり、高性能な機材が安価で行えるという事情もあると思います。普及価格帯の性能がアップするのもその恩恵を受けていると思います。

写真の差

”普通に見るなら”、プロの機材で撮った写真と初級者用の機材で撮った写真の画質に”著しい差”はありません。厳密に言えばもちろん差はあります。機材の性能が違いますから。階調の豊かさや暗い場所での撮影、解像度などやはりハイエンド機材には値段に見合うだけの値打ちがあります。写真のことが分かってくるとそのあたりへのこだわりが生まれてきたりもします。また違いがあるように見えるのは、そもそも写真の腕が違うからというのもあると思います。

しかし、趣味で写真を楽しむのには高級機材でなくても充分に楽しめます。それくらい今の一般向けカメラは高性能です。要はこだわりの程度の問題ですね。趣味の写真で重要なのは、写真の中身や撮るマインド、撮った後の楽しみなどですので、それにはこだわりを別にするとアマチュア機材で充分です。

個人的には、各メーカーの初級者モデルで始めるので十分だと思っています。はじめは本体よりレンズや周辺のグッズに予算を使う方が楽しいと思います。重要なのは「何が楽しいか」だと思います。

都市伝説にまどわされない

どの趣味の分野でもそうですが、マニアな人の間で都市伝説のような話が流布されていることがあります。あるいは、微々たる差をさも重大な差のように誇大に言及していたりする情報も見受けられますので吟味する必要があります。
音楽の世界で言えば、アマチュアの間でも何十万円もする高級エレキギターが人気ですが、ある世界的に有名なギタリストは「エレキギターは10万円以下で充分」と言っていたりします。彼のシグネチャーモデルは6万円だと言っています。実際世界のトップギタリストは、有名になってメーカーから機材提供される前はいい加減なギターを使っていたりします。数年前になくなった革命児エディバンヘイレンも、デビュー時は安価なパーツで自分で組み立てたギターを使ってあの歴史的な名演奏をしていました。

写真は中身

極端なことを言えば、プロ機材で撮ったどうってことない写真より、スマホで撮った絶妙な写真の方が感動的なわけです。画質や機材至上主義になると、その中身を楽しむマインドが下がってしまいます。

機材と技術の法則

ギターやスキーなどは、そもそも練習をしないと弾くことや滑ることができません。ギターなどは、高いギターを買っても、基本的な演奏技術がなければちゃんとした音を出すことさえできません。ましてや価格相応の良さを引き出すことなどできるはずがありません。
高級ギターによるアマチュアの演奏より、安いギターをプロが弾く方が演奏もギターの響きも良いのです。同様に高いスキー板の初級者より、安いスキー板を履いた選手の方が上手く滑るのは想像に難くありません。テニスだってどんな高級な道具を使っても、ちゃんと打つことができなければ勝てません。

では写真はどうか。今のカメラは、練習をしなくてもはシャッターを押せば素人でも写せます。アマチュアでも良い機材でシャッターを押せばとりあえずキレイに写るのが写真の世界です。
ここがギターやスポーツとの違いです。あとは、写真の中身がどうかという点です。写真の中身の良し悪しは非常に難しい問題です。基本的には主観だからです。写真を構成する基礎技術とあとはセンスです。オートモードがあるので昔なら難しかった露出もカメラが適切に決めてくれます。乱暴に言えば、ハイエンド機材を使ってセンスの良い初心者の方が撮ればプロを凌駕する写真が撮れるでしょう。

ただ、プロのプロたる所以は、それだけではありません。さまざまな注文(時には無理難題)にもビジネスとして一定の品質で応えられるのがプロです。そこは天才でない限り、いくらセンスがあってもアマチュアでは無理です。

プロの写真と趣味の写真にはそもそも、撮影する背景に大きな違いがあります。プロはそういった場数を踏みながら技術と共にビジネスとしての「間尺」を得ているので、そのあたりの懐の深さはアマチュアとは比較になりません。だからこそ、ハイエンド機の豊富な機能や性能も生かすことができるというワケです。逆に言えば、ハイエンド機は様々なプロのニーズに応えられるように設計されているわけです。

まとめ

繰り返しますが、趣味の初心者に高級機はダメだと言っているわけではありません。ムリして買う必要はないと言うことです。重さや予算に納得があれば、ハイエンド機を買ってその性能や画像の素晴らしさを味わえるはずです。要は、予算、習熟度、マインド、目的のバランスですね。

その上で、ひとつの考え方としてAPS-Cをお奨めしているわけです。フルサイズ・高級機のボディとズームレンズ1本を買う予算で、APS-C機なら、ボディと標準と望遠のズーム、さらに単焦点レンズ、三脚、カメラバッグも買えるかもしれません。さらにAdobeのLight Roomのサブスクも使えるでしょう。ひょっとしたら、どこかへ撮影旅行にも行けるかも知れません。

「楽しさ」においてこの差は大きいのではないでしょうか。

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