デジタル一眼では、フィルムの代わりにイメージセンサー(受光板)と言うもので映像を記録します。そこに埃や汚れがつくと写真にも異物となって写り込みます。画面の同じ場所にぼやっと黒いものが写っていて、レンズやフィルターを掃除しても消えない時は受光板に汚れがついている可能性が高いです。カメラに自動でセンサークリーニングする機能が備わっていますが、それでは取れない汚れがあるということですね。
その場合は、イメージセンサーを掃除しなければなりませんがデリケートなものらしく注意が必要です。安心なのはカメラ店やメーカーのサービスに持ち込んで処理してもらうこと(だいたい3千円前後の費用で30分程度完了するそう)ですが、明日撮影に出かける準備をしているときに汚れに気がついたと言う時には間に合いません。汚れがついたまま撮影に行くのはイヤですよね。そんな時に自分でできれば安心です。
そんなに難しくない(10分くらいで終わる)のでやり方をご紹介します。デリケートとは言えカメラ店やメーカーサイト、Yoututubeでも紹介しているので「注意してやれば良い」ということだと言えます。
準備
作業は埃の立っていない場所で行うことが重要です。埃っぽい場所で行うと逆効果になってしまうことが予想されます。部屋がほこりっぽいからと掃除をしたら、目に見えない埃が立つので空気中に舞っている埃がなくなるくらい時間をおいてから行った方がよいと思います。
エアーブロア
書くまでもないと思いますが、常にエアブロアでカメラの埃を飛ばしながら作業をする方がよいと思います。
クリーニング用スワブ(Amazon等で売ってます)

掃除面がAPS-C用、フルサイズ用・・・とセンサーのサイズに合わせてありアルコールも染ませられるようになっています。こう言うものを使った方が良いようです。
<備考>
同様のものを自作してもよいと思いますが安いモノなので買う方が手軽ではないでしょうか。万一買い忘れなどの場合は、レンズを拭く紙をボール紙などに巻きそれを割り箸にテープで留めたりして代用できると思います。ただしセンサーに接する部分にはティッシュや布など繊維が出る素材は使わないことが重要です。繊維が出てそれが埃としてついてしまって本末転倒になると思います。そういった諸々の事も含め専用のスワブを買っておく方が簡単で安心です。

無水エタノール(アルコール)
から拭きで取れないときは無水エタノールを使いますが、私は毎回使っています。その方が確実に取れるような気がするからです。センサーについた塵って目に見えませんから。安いモノですしいろいろ使えるので買っておくと便利です。
円い電灯のある部屋or白い紙
これは私流ですが確認画面を撮るためです。細長い電灯より円く面積の広い電灯が望ましいです。もしくは画用紙くらいの白い紙。一般的には「白い紙を撮る」と書いてありますが本質を考えると「電灯を撮る」でも同様ではないかと思います。詳しくは後述。
汚れの確認
まずは本当にイメージセンターが汚れているのか(レンズではないのか?)、どの辺が汚れているのかを把握しなければなりません。ネットには白い紙を写すなどいろいろな確認方法が載っていますが、私は部屋の丸い電灯をレンズをつけずに写すことで確認しています。カメラにレンズをつけずに電灯に向け画面に真っ白な光が満ちている状態でシャッターを切ります。そのデータを確認して汚れの場所を確定します。もしそれで汚れがなかったら、汚れはイメージセンターではなくレンズやフィルターにあると言えます。
この方法は「埃が入る」などを懸念する見方もあると思いますが一瞬なので大丈夫ではないかと思います。この方法が良いのは、レンズの汚れを誤認しないことです。レンズをつける場合はレンズには汚れがないことが前提です。もしレンズの汚れをイメージセンターの汚れと誤認すると無駄にイメージセンターを触ってしまいます。
<白い紙を使う方法>
光がよく当たる壁や床に白い紙(コピー用紙や画用紙など)を置くか貼るかしてそれが画面一杯になるようにし、”ピントを外して”ボケボケの状態で映します。ピントがあっているとどこの汚れなのかが分からないからです。要はピントの合っていない白い画面を撮ってセンサーの汚れをあぶり出すわけですので紙を撮らなくても前述の電灯で良いじゃないかというのが私の考え方です。
汚れの確認
撮ったデータを見てイメージセンサーのどこに汚れがあるかを確認します。汚れが確認できたらあとは掃除するだけです。汚れの場所はクリーニングの際はこの確認画面とは上下が逆になりますのでご注意。下の画面で分かりますでしょうか。この黒いぼやっとしたものが汚れで写真の同じ所に登場するのであれ?ってなって気がつきます。汚れの確認はパソコンの大きな画面で見ないと分からないと思います。カメラのモニターでは分かりません。

イメージセンサーへのアクセス
一眼レフとミラーレスでセンサーへのアクセスが違ってきます。一眼レフはミラーがあるのでミラーを上げた状態にしなければセンサーは見えません。上げ方は機種によって異なると思います。取説を見てください。各機種ともクリーニングモード的なメニューがあると思います。
ちなみにニコンD500の場合は、メニューに「クリーニングミラーアップ」というものがあり、それを選ぶとスタンバイ、シャッターを押すとミラーが上がる、電源を切るとミラーが降りると言った具合です。


クリーニング
エアーを吹く
まずはブロアでエアーを吹き付けてみましょう。これで取れることもありますしこれですめばクリーニング完了です。手順としてはエアーの後、4.の確認作業です。それで取れていなかったらスワブでの作業です。
スワブを使う
エアーでとれない場合は、スワブでの作業になります。受光板をスワブでゆっくりなでるように掃除をします。スワブはカラ拭きが推奨されています。ただ私はいつもエタノールをつけて行います。その方が確実な感じがするのと、イメージセンサーについたアルコールが乾いていくのが見えるので、スワブ面で拭いたことが分かるからです。ただしエタノールは湿らせる程度にすることが大切です(つけすぎてもすぐに乾いていきますが)。カラ拭きでとれない場合はエタノールという手順が堅いかも知れません。その辺は自己判断でやってみてください。
全体をゆっくり1回で拭くようにした方がよいようです。先ほど汚れの位置を確認したのでそこを確実に掃除できるようにします。ただ汚れ自体は目で見ても分からないと思います。なでるのは基本1回、またスワブは1回使ったら終わり。再利用しないように書いてあります。

確認
クリーニングしたら汚れが取れているか確認します。1〜2と同じ作業です。掃除前の画像と見比べて汚れがなくなっていたらOKです。汚れが消えてなければ再クリーニングです。


文字で書くと長いですが慣れると一連の作業が10分くらいでできます。どう言う状況でイメージセンサーが汚れてしまうのか知りませんが年に数回汚れていることがあります。レンズ交換の際に塵や埃が入るんでしょうねぇ。とにかく自分で掃除できたら節約できるし即対応できるので安心です。ただあくまで自己責任で行なってください。

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