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「ピクセル等倍必須」説と「jpeg撮って出し最上」説について。

RAWデータを現像する

アマチュアカメラマンの間では往々にして極端な話が横行していることがあります(そういう私もプロではありませんが 笑)。代表的な議論が「ピクセル等倍必須」説と「jpeg撮って出し最上」説ではないでしょうか。個人的には歪んだ考え方と間違いがあるなあと思います。

「ピクセル等倍必須」説について

「ピクセル等倍」は、画像データをピクセル単位まで拡大してピントをチェックする方法ですが、結論から言って普通に趣味で写真を楽しむには「ピクセル等倍」によるチェックは必要ないと思います。写真展に大判出力する場合なら行った方がよいと思いますが、それでも大判写真というのは離れて見るものなので、普通にデスクトップの大型モニターでキレイに見えていれば問題ないと思います。
大判出力されたプリントを間近で詳細に見てピントが甘いなどと言う方がいるとすれば、それは写真を鑑賞しているのではなくてピクセルを鑑賞しているか粗探しをしているかではないでしょうか。

写真で大事なのは画面全体の写真の内容です。ピクセル等倍で少しぼやけていても全体を見て違和感がないなら問題ないと考える方が健全ではないでしょうか。人によれば「ピクセル等倍」でびったりピントが合っていないと写真ではないとまで言う人がいますがそれは極端すぎてナンセンスだと思います。多少ピントが合っていなくても写真自体が感動的な内容であれば、それは良い写真ではないでしょうか。逆に「ピクセル等倍」できっちりピントが合っていても肝心の写真の中身がイマイチならば意味がありません。高級繊維で作られたダサいデザインのシャツより、安い素材だけど素敵なデザインのシャツの方が魅力的なはずです。もちろん高品質な素材でデザインも素敵であれば申し分ありません。

仲の良い商業写真を撮っているプロに聞いてみても「ピクセル等倍」のチェックはしないとのことでした。特に彼らの場合、依頼時点で(例えばWEB使用だとか印刷だとか)使用目的がはっきりしているのでそれを満たす精度であれば「ピクセル等倍」は不要なわけです。
ですから、気軽に写真を楽しむという人は「ピクセル等倍」は気にしなくてもよいと思います。あえていえば意味がないとも思います。大事なのは写真の中身ではないでしょうか。ただし、もちろんこれは程度問題で普通に見てピントが甘い写真は例外を除いて良い事ではありません。それは当たり前の事ですね。気になる方は「ピクセル等倍」チェックするに越したことはありませんが、それに縛られることは不要だと言いたいわけです。

「jpeg撮って出し最上」説について

この説は要するに「写真というのは現場でカメラだけで適切に最上の状態で撮影するのが良い(腕がある人だ)。後からトーンやトリミングなどの調整するのは邪道だ(腕がないからだ)」という考え方なのだと思います。これには2つの勘違いがあるのではないかと思います。

1つは、jpegというものの理解が間違っているのではないかと言う点。
「jpeg撮って出し最上」説では、RAWで撮って現像する行為は「後から調整する邪道」という定義なのでしょうが、jpegは言って見れば「カメラによる自動現像(調整)」された画像データです。つまり現像をカメラのオートに任せているということ。現像をカメラオートに任せることよりRAWで撮って自分で現像して仕上げることの方が邪道なのでしょうか。

「jpeg撮って出し最上」説ではJPEGが調整がかかっていない生のデータだと思われているのだと思いますがそれは間違いです。JPEGはカメラが自動調整してさらに画質を落としてファイルサイズを小さくし取り扱いやすく非可逆圧縮したデータです。データとしては撮影時から2段階加工されています。
ちなみにプロは仕事用写真を可逆圧縮方式のTiffで保存している人が多いと思います。JPEGに比べて圧倒的に情報量が多いからです。その分データも大きくなります。
ただし、業界標準になっているJPEGは情報量や劣化性において通常使用では問題ない範囲だから標準になっているわけで、画質を落としているからダメだと言うことではありません。これも程度問題ですね。またプロがTiffで保存している理由には情報量の他に隠しロゴや透かしその他の加工に対応しているからです。

2つ目の「撮って出し」。これはトリミングで構図を整えるのは腕がないからだという意味なのでしょうがナンセンスも甚だしいと思います。
現在のカメラの画面比率はライカが最初に採用した比率を踏襲しているだけで写真的には何の意味もありません。この比率でなければだめだとしたら、昔のブローニーの6×6や6×9やあるいは映像の世界の16:9やシネモードの比率はどうなるのでしょうか。あるいは本の編集などでレイアウトする際にトリミングされた写真はダメなのでしょうか。そんなはずがありません。
むしろ被写体のカタチによって最適な画面比率は違って当然なのに同じ比率に押し込める事の方が無理があります。「トリミング否定派」みたいな意見もあるようですがナンセンスだと思います。インスタだって正方形です。自由にトリミングして仕上げる方が素敵な写真に仕上るのではないでしょうか。
RAWで撮って自分でイメージしたトーンの調節を行い最適のバランスにトリミングして仕上げる方が、作品作りとして正統派なのではないでしょうか。


ネットが普及してからこういう極端な話や間違った認識が拡散されておかしな話になっていたりします。フルサイズ至上主義も同様です。高名な写真家でもAPS-Cで撮った作品で受賞していたりします。もっと自由に楽しめば良いのではないでしょうか。

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