デジタル一眼の基本中の基本。露出を決める3+1の撮影モード。

昔のフィルムカメラは、基本的に露出やピントもマニュアル(手動)でした。デジタルになるとカメラが進化して、いろいろな場面でカメラが自動で適正な露出を設定してくれるようになりました。
その自動モードが3つあります。+1としたのはマニュアル(手動)設定を区別してわけました。後述しますが、撮影に凝ってくるとこのマニュアルモードをうまく使うことで狙った写真が撮れるようになります。
3つのオートモード:S・A・P
3つのモードは、どれを選んでもカメラが適正露出にしてくれます。設定の目的とやり方が違うだけなので狙うイメージによって使い分けます。
1.Sモード(シャッター優先オート)
動きのある被写体の場合はシャッターを優先的に決めると、後はカメラが適正な絞りを設定してくれます。自動車や鉄道、スポーツ、動いている動物や子供などを撮るときは動きの速さに応じてシャッタースピードを先に決めます。ただ、例えば電車を撮る際に、横から撮るのと正面気味に撮るのでは横方向の動きの速度は全然違いますので留意が必要です。
とにかく早ければ良いだろうと1/4000とか早いシャッターで撮ると、その分絞りが開いてしまって被写界深度が狭くなったり、ISO感度が高くなってノイズにつながったりするので、どのあたりが適正かというのを体験上身につけた方がよいと思います。大概のものが1/125~1/1000位の間で撮れます。
あえてシャッタースピードを遅くして独特の効果を狙うこともできます。滝や川の水の流れは、シャッタースピードを1/15以下にすると流れだけがぶれて面白い写真になります。また、動くものをスローシャッターで追いながら撮ると(流し撮り)、被写体だけが止まって背景がぶれている写真が撮れます。夜景などでは、10秒~30秒くらいのシャッターを開けっぱなしにする(バルブ)ことで、自動車のライトなどが光の線になった写真が撮れます。シャッタースピードを工夫することで面白い効果の写真が撮れます。





2.Aモード(絞り優先オート|Aは絞りを意味するApertureのA)

絞り値を決めると、カメラが適正露出になるようにシャッタースピードを設定してくれます。このモードで最もコントロールできるのは、被写界深度(ポイントがあう深さ)です。言い換えれば背景ボケの程度とも言えます。絞りを開けるほど被写界深度は狭くなり背景がボケやすくなります。
逆に絞りを締めることで被写界深度が深くなりますので、被写体の大きさや狙う写真のイメージによって使い分けをするという感じです。
留意しなくてはいけないのが、絞りを開けるとシャッタースピードが速くなり、絞りを絞るとシャッタースピードが遅くなることです。それを常に念頭に入れておく必要があります。また、うす暗い場所で絞るとシャッタースピードが極端に遅くなったり、ISO感度が高くなってノイズが出やすくなります。
3.Pモード(プログラムオート)
Pモード(プログラムオート)は、シャッタースピードも絞りも、被写体までの距離も考慮してカメラが決めてくれるモードです。散歩していて突然撮るというときなどに便利かも知れません。
また、その露出バランスをたもったまま、絞りやシヤッタースピードを変えることもできます。初級者モデルではこの他に「オートモード」みたいなモードがありますが、そちらは完全にカメラ任せになってしまいます。Pモードは露出バランスはカメラに任せながら、被写体に応じて絞りやシヤッタースピードを「変更することも可能」という点が違います。
ただ個人的には、ほとんど使いません。何か撮ろうと思ったときには、被写体によって、まずSかAか、どちらが良いかが決まります。あるいはMとか。Pで一旦撮ってから変更するのなら始めからAかSで撮り始めた方が早いので私自身はほとんど使ったことがありません。そういう人は多いんじゃないでしょうか。
M(マニュアル)モード:手動モード
このモードを他の3つと分けたのは、このモードだけ露出に関しては手動になるからです。写真撮影になれて好みやこだわりが出てくると、このモードをしばしば使うようになります。自分の好みの露出にできるからです。SにしてもAにしても、結局はカメラが判断して露出を決めます。それはいつも決して完璧ではないため、白いモノや光が当たっているところが白飛び(階調のない真っ白になってしまうこと)することがあります。
後でパソコンで調整することを前提にすると、白飛びを防ぐために何段階かで撮っておきたいときがあります。そういうときには絞りを変えて何枚か撮ります。逆に影のある写真を撮るときも何段階か撮っておいて選べるようにしています。デジタルカメラは、動く被写体でない限り撮ってすぐに確認できるのでMモードで調整しながら撮れます。

4つのモードの実際問題
以上の4つのモードがあるわけですが、通常は、被写体によってSかAかを選んで撮影すれば良いと思います。ただ、SやAで撮るときも、必ず絞りとシャッタースピードとISO値を確認して(認識して)撮る習慣を身につけた方がよいです。オートモードは、露出の学習としても良いわけです。
そうすると「だいたいこういうときは絞りはこれでシャッタースピードはこれISOはこのくらい」という好みの間尺ができてきます。勘のようなものですね。そうすると、もう少し暗く撮りたいと思ったら、Mモードで撮れるようになります。そうなるともっと写真が楽しくなります。
アンダー目に撮るのがおすすめ

パソコンでの調整を前提に撮るなら、アンダー目(少し暗く)に撮っておくのがお奨めです。白飛びが防げるからです。白い被写体でなくても、光っているところや光が当たっているところなどが白飛びすることがあります。
白飛びした場所というのは情報がない状態です。いくらパソコンで調整といってもデータが無いと調整のしようがないわけです。しかし少し暗い程度なら、データがあるので明るさや階調の調整ができます。アンダー目というのは、絞りを1段(例えば2.8から3.5など)絞る感じです。カメラによっては1段よりもっと細かい設定ができるものもあります。これは撮るたびにそうするのではなく、基本的なカメラの設定をそうやっておきます。露出補正というところでアンダーに設定しておきます。
ISOについて
どのカメラもISOの設定は、別の設定画面でできるようになっていると思います。そして通常の撮影ではカメラが自動で設定します。SやAで値を決めるときにISOがいくらになっているかを確認するようにして、できるだけ1000以下になるようにした方がよいです。

例えば。少し暗くなって動くものを撮りたいときに、シャッタースピードを1/1000くらいに設定すると、おそらく絞りは開放値になり、それでも光が足りないからカメラがISO値を3200とか12800とかに上げます。そうするとノイズが出やすくなります。どの値からノイズが目立つかというのはカメラの性能や写真によっても異なります。
そういう経験を重ねると自分のカメラは、どのくらいからノイズが気になるというのが分かってきます。そうしたらISOの設定の画面で限度値などを設定しておけば、不用意にISOが上がるのが防げます。
ISOがどういうものかを理屈で理解するのは難しいと思いますので、経験を重ねて感覚で法則をおぼえていく方が良いと思います。
明るすぎるとき

レンズを開放にして、なおかつシャッターを遅く切りたいとき、明るすぎて真っ白になってしまいます。そういうときはNDフィルターというグレーのフィルターでカメラに入ってくる光量を落とします。NDフィルターは可変式のタイプが便利です。

