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意味がないと思う論争。

雑記帳

SNSなどで、カメラの機種ごとの細かい特徴やスペックによる良し悪しや、フルサイズかAPS-Cかとか、トリミングの是非とか、いろいろな論争が加熱しているようですが、どれも写真の中身、写真の良し悪しや面白さにおいてはあまり意味がないのではないでしょうか。ひと言で言ってしまえば「好きにすれば(選べば)良い」ことばかりだと思います。

趣味の写真の楽しさとは

写真の楽しさは、基本的にはその中身だと思います。ナンセンスな論争よりも写真の中身を深く追求した方が面白いと思うのですが・・・・。
そういった細々した論争をされている人達は、写真の中身より写真を撮ることが目的になってしまっているのではないでしょうか。これはそれで趣味なのだからカメラや機材、手法の細々したことを楽しむという楽しみもあるとは思いますが、それを一般論的に発信するのはどうかなと思います。また、それが無意味な話である場合もあるので困ってしまいます。

論争の無意味さ

フルサイズ論争

現代のカメラはどれも優秀です。どこのメーカーのカメラでも、そして多少古くても写真の中身にはほぼ影響しません。撮る人のこだわりや納得だけの話です。フルサイズかAPS-Cかということもそれぞれに長所短所があるのだから、ひとそれぞれに自分にメリットがある方を選べば良いだけです。一般論で決められるような事ではありません。
フィルム時代のカメラでハーフサイズというのがありましたが、あれは明確に画質の違いがありました。しかし、現在のデジタル一眼で、フルサイズで撮った写真とAPS-Cで撮った写真を一瞬で見分けられる人がいるでしょうか?並べてもなかなか分からないと思います。ある著名写真家の方は、有名な賞をもらった写真がAPS-Cで撮った写真であることを話しておられました。フルサイズ論争はそれくらい意味がない話です。

トリミング論争

そしてトリミングの是非に至っては、ナンセンスも甚だしいと思います。デジタル一眼の比率を変えるようなトリミングがダメなのなら、フィルム時代のブローニーなどのカメラ(6×6や6×5)はどうなるのでしょうか。今のデジタル一眼とまったく比率が違います。あの頃の写真はすべてはダメなのでしょうか???それに雑誌などではレイアウトを勘案して写真をトリミングします。あれはダメなのでしょうか。ダメなわけがありません。今の写真の比率はカメラを作った時にライカが設定した比率だというだけです。インスタグラムは正方形ですしね。
そもそも被写体がその比率に合わせて存在しているわけではありません。いろいろな造形で存在しているワケでそれを写真で切り取るのだから、撮る側が決まった比率で撮る方が無理があります。撮った写真を被写体が最も良く映る比率にトリミングするのはごく自然の話です。その人が「決まった比率で勝負する」というゲームを楽しむのはまったく構わないと思いますが、それを一般論やべき論として発信するのは間違っていると思います。

偏るネット情報

アマチュアカメラマンやYoutuberの中で一部の方が、そういった偏重的な考え方を持ってSNSで情報を発信し、それに振り回される人が増えているのだと思います。また、メーカーから提供を受けている方は某かその製品の情報を発信しなければいけない義務を負ってしまい無理矢理情報を発信します。間違っていないとしても、細かすぎたり極端だったり何らかの前提にたった上での話だったりして一般論ではないことが多いです。

こういうことは、他の分野でも同じようにあると思います。音楽の分野でも多々あります。「体に悪い食品」論争も同じで、専門家は科学的根拠のない話がほとんどだと言います。そういう根拠のない話より大事なのは栄養バランスとおいしいかどうかだと言います。また仮に「体に悪い」食品があったとしてもそれをどれくらいの頻度で食べるかで話は違ってきます。そういう程度問題もあまり着目されません。

話の捉え方

物事には必ず良い面悪い面があり、それは人や状況によって異なります。それぞれの個人がちゃんとした情報を得て自分に当てはめて選べば良いだけです。機材や手法云々を語るのも楽しみのひとつではあると思うので、語りたい人はそういう人同士で語り合えば楽しいと思いますが、人に押しつけるようなことや、さも一般論のように煽ったり断定的に話すのは良くないと思います。また、そういった情報に振り回されないようにすることが大切だと思います。

プロの方でそういった状況について正すような発言をされている方も多いですが、詳しく話しすぎて結局良く分からない話になっている方も多いです。プロの方はご自身では当たり前に良く分かりすぎていてアマチュアに向けてどう説明したら良いのか分からないという事もあるでしょうし、プロである自分を客観的に見ると言うこともなかなか難しいかも知れません。

端的に整理すれば・・・・
・機種ごとの細かい差違など気にしなくても写真は充分撮れる。
・フルサイズか」APS-Cかは自分のメリットで選べば良い。
・トリミングの是非は意味がない。好きにすればよい。
結果的には「人ぞれぞれ好きに選べば良い」です。
こうでなければいけないというものはありません。

写真撮影で大事なこと

そういう細々したことより大事なことは、写真の理屈(露出とシャッター、感度の関係や光の方向、被写界深度など)だと思います。これはお金とか腕とか経験とか関係なく物理的法則ですので揺るぎようがなく、プロもアマもすべての人に共通します。この法則を上手く使えるようになれば思ったような写真が撮れるはずです。
逆に言えば、どんな高価な機材を持っていても写真の理屈が分かっていなければ、イメージした写真を撮ることはできません。良い写真が撮れたとしてもそれはまぐれです。もちろんそれも好みで、まぐれで良い、まぐれを楽しむという楽しみ方もあると思います。趣味なので人に迷惑かけること無く自分が楽しければ良いわけです。

初心者向けなら

あと、初心者向けのカメラの選び方などで、予算を最低何十万円とか話している方もいますが現実離れしています。初めてカメラを買う人に何十万という冒険をさせても良いものでしょうか。アドバイスになっていないと思います。初めて買うけど、散々研究して写真にはとても思い入れやこだわりと情熱があるという方、あるいは大金持ちの富裕層ならあり得るかも知れませんが、初心者でそんな方は極めて少数派です。

初めて買う時は予算は多くても20万円くらい、一般的には10万円程度がボリュームゾーンではないでしょうか。あるいは、最低どれくらいで買えるモノなのか、それはカメラとしてどうなのかみたいな感じに思っている人がほとんどなのではないでしょうか。

まずは入門用の初級クラスのカメラで十分だと思います。メーカーもそう設定しているわけですから。ボディにお金をかけるより、その分レンズを買った方が楽しいです。とにかくまずはデジタル一眼で写真を撮る楽しさを知ることが一番重要だと思うので、初級機か中級機かのクォリティにこだわるよりもレンズを変えて撮るデジタル一眼ならではの楽しさを味わう方が大切だと思います。実際、最初に中級機とレンズ1本だけを買って、重くて単純でつまらなくなって写真を撮らなくなった友人がいます。

ネットの情報の特性

ネット時代になって誰でも情報発信できるようになったのは便利ですが、それ故情報の質も玉石混淆になります。ネットでは何か違った話をしなければイイネがもらえないとかフォロワーが増えないとかいう理由で、あえて前のめりになってあおり気味に発信するが多いと思います。情報が多いことはよいとは思いますが、偏った情報ばかりになるとそれも返って混乱を来します。冷静に考えることが必要だと思います。
「良いカメラを買わなければ写真の面白さが分からなくて飽きる」などと言われる方もいてフルサイズを奨めていたりします。それは厳密には間違いではないでしょうが、そういう人はどれくらいの割合いるでしょうか?極めて少ないと思います。とにかく話が極端なのです。
初級者モデルでも充分に写真の楽しさは味わえます。繰り返しになりますが今のカメラは初級者モデルと言えども高性能です。商業写真にでも充分使えるレベルの写真を撮ることができます。実際使っていますしね。

ハイエンドユーザーや一部のプロの方が、ハイエンド気味に語るのはある種のアイデンティティの誇示、自慢話に近いと思います。話されていることはどれも間違いではないのだと思いますが、それがどの程度重要な事かという程度問題が抜けています。もっと自由に撮れば良いと思います。重要なのは写真の中身と楽しいかどうかです。

写真に限らず趣味の分野では、上級者を中心に偏った情報が世間を煽る傾向にあると思います。こうあるべきみたいなべき論が横行しますが、趣味なのだから楽しいことが最優先ではないでしょうか。それにそういう上級者は間違った認識や知識で話していることも多いです。
なかなか相手の立場に立ってアドバイスができる人は少ないものです。お店に行っても、客観的なアドバイスがもらえるとは限りません。店員の某かの思惑による買い物を進められる場合もあるからです。ですので、こうすれば大丈夫という方法はありません。人の言うことをいろいろ聞いて冷静に自分で判断するしかないのです。

趣味とは

趣味だから、許せる予算と時間の中でいかに楽しむかがすべてです。
初心者はまず楽しむことが大切だと思います。楽しくて続けていくうちにいろいろな経験と目利きができるようになりますので、いろいろなものをグレードアップしていけばよいと思います。それがもっとも現実的で合理的ではないでしょうか。初級者モデルではちゃんと写真は撮れないなんていう意見は暴論であり間違っていると思います。センスがあればいくらでも良い写真が撮れます。スマホでも良い写真が撮れるわけですからね。

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