ニコンは2022年に一眼レフカメラの開発をやめており、ニコンの新しいカメラはミラーレス一眼なのでD5600はエントリーモデル一眼レフの最終モデルということになります。
しかし、では新しいカメラと比べて劣っているのかと言えばまったくそんなことはないと思います。D5600というカメラはニコンのカメラ技術をバランス良くエントリーモデルとして凝縮した熟成されたカメラなのではないかと思います。他の記事でも紹介していますが、ニコンのフルサイズの上級モデルを持っている人でも、ちょっとした旅行やスナップにはD5600を持って行くという人もいます。



D5600の良いところ

ひと言で言えば、基本的な性能を備えた上で軽くてほどよいコンパクトさなのです。この「ほどよいコンパクトさ」というのが重要で、カメラを持った時の手の中への収まり方は、撮り方に非常に影響します。もちろんそれは個人の手のサイズにもよるのですが、D5600は大きな手の男性でも小さすぎず、女性でも大きすぎず、またニコン独特のホールドの良さを備えている気がします。
それと軽いこと。めちゃめちゃ軽いです。D5600にパンケーキと呼ばれる35mmくらいの単焦点レンズをつけるといわゆるコンデジかと思うくらい軽いです。APS-Cのハイエンド機D500と比較すると大きさと軽さが歴然とします。
<APS-Cハイエンド機D500との比較>



他の記事でも書いていますが、この「軽い」ことも気軽に写真を楽しむにはとても重要です。APS-C機の利点を最大限に活かし、性能は中級機並みの性能を備えています。D5600だけでかなりの写真撮影を楽しむことができると思います。上手く撮ればかなりトリミングしても耐えるだけの描写力があります。
また、モニターの角度が自由に変えられるので、低アングルや自撮りにも便利です。カメラによっては自分の方にモニターを向けられないものもありますが、D5600のモニターは自分の方にも向けることができます。
留意すべき事
優れた性能を備えたD5600ですが、私の認識している範囲では、唯一、動きの速い野鳥をRAWで撮影するには連写機能が足りません(詳細を後述)。そこはやはりエントリーモデル。そこまで高性能ではありません。それ以外は、大きな問題はないと思います。ニコンFマウントのレンズはどれでも使えます(ただしフルサイズ用のレンズでも写る範囲はAPS-C)。
マニアックな留意点としては、方式の違い(AFモーターを内蔵していない)でサードパーティのレンズなどではAF機能が使えない場合があります。レンズについてはニコンからDX用(APS-C用)レンズがたくさん出ています。
価格や予算
定評のあるD5000シリーズの最終モデルということで性能もバランス良く安定しているのではないでしょうか。中期市場ならかなり価格も買いやすくなっているので、ちょっと一眼レフで撮ってみたいと思っている方には非常にお買い得、良い選択肢のひとつだと思います。
限られた予算の中で、高級機のボディとレンズ1本買うより、D5600とレンズ数本や周辺機器を買う方が楽しさが広がるのではないでしょうか。あるいはその上でちょっと撮影旅行に行くなど、横への広がりが可能になります。
ネットで「D5600で撮影した写真」と検索するとD5600で撮影されたステキな写真がでてきます。カメラは、道具なので古い新しいではなく自分に馴染むかどうかがとても重要だと思います。
備考
連写機能についての詳細
野鳥を撮るには連写機能が足りないということについての詳細です。
足りないという前提は、カワセミの飛び込みなどをRAWで連写する場合です。jpegで撮るなら100点ではありませんがある程度可能です。ただ5コマ/秒なので、良い瞬間が切り取れるかどうかは運です。それくらいカワセミの動きは速いです。また、連写を続けるとバッファーがすぐにいっぱいになってシャッターが切れなくなります。少し待てば回復しますが。同時期の中級機ハイエンドモデルD500では15コマ/秒でRAWで撮っても連写が継続的にできるので、そのあたりの性能差というのはあります。
上記の現象はスポーツやレーシングカーなど、瞬間的な動きのものには同様のことが言えると思います。鉄道などでも、走ってくる列車を狙った時点より少し前からシャッターを切り始めると肝心のところでシャッターが切れないという事態に陥ります。繰り返しますが、これはRAWで撮るという前提の話です。jpegだけで撮る場合は大丈夫です。これは、メーカーとしてはエントリーモデルユーザーはJpegで撮るという前提なのかも知れません。
レンズキットについて
ズームレンズでのレンズキットで売られている場合が多いと思います。1本なら標準ズーム(18-55mm:35mm換算27-83mmくらい)2本ならそれに望遠ズーム(50-200mm:35mm換算75-300mmくらい)がついています。まずはこれで十分ではないでしょうか。
標準ズームは、人物から景色、花、街撮りなどに便利です。望遠ズームは、運動会や鉄道や自動車、動物、子供、街撮りなど、望遠の特長を活かした撮り方ができます。
プラスするなら35mmの単焦点レンズのf1.8などの明るいレンズがあると人物や花、静物などをきれいなボケで撮ることができます。あるいは暗い場所での撮影がしやすいです。
また、高倍率ズームと言われるズームがあります。ニコンのDXレンズでは18-200mmというレンズがあり、レンズキット2本分の焦点距離を1本でカバーするのでとても便利です。ただ、少しレンズが重く大きくなるのが難点です




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