「気楽に写真撮影を楽しむ」というマインドなら、基本的には手持ち撮影だと思いますので、三脚を使うというのはちょっと特別な場合ではないでしょうか。望遠レンズを使うときか、夜景を撮るために長時間露光をする、あるいはセルフタイマーを使う、静物撮影をする、あとは動画を撮るくらいでしょうか。ただ、昔と違って現代のデジタル一眼には高性能な手ブレ補正機能がついているので望遠レンズでも400mmくらいまでは手持ちでも平気です。
ただ、鉄道の撮影などでアングルを決めて撮るときなどは三脚で固定する場合もありますし、野鳥撮影などでポイントを決めて待っているときは三脚が必要です。また室内外で静物撮影する場合もカメラを固定しておいて被写体をセッティングする方が撮りやすい場合が多いです。

三脚についてネットで調べると、だいたいは本格的に撮ることを中心に書いてあるので、中型以上の三脚を推奨していることが多いです。しかし、中型の三脚は大きくて重いです。カーボン製は軽いですが「このサイズにしては軽い」ですから、実質的にはやはり重くなりがちです。また脚自体はカーボンで軽くても、雲台にしっかりしたものがついているとそこが重いので、総重量としては重くなります。重いのは「気楽に撮る」には面倒です。
初めて買うときはいきなりネット通販とかで買わずに、カメラ店に行っていろいろ見て買った方がよいです。特にカメラを取り付ける雲台の部分や、脚をロックする部分の使い勝手や安定感はメーカーやグレードによって違います。雲台については後述しています。
三脚の大前提
三脚の大前提の法則として、本来は脚が太くて重い方が安定が良いです。その逆で脚が細くて軽いのは不安定です。これはメーカーや素材の関係なく物理的な法則です。重心が下にあるほど安定するのは普遍的な法則です。

だからカーボン素材が軽くてしっかりしているからと言っても、上に載せるカメラの重量が重ければ、重心が上になるので不安定になります。三脚に重しをつけないと足場の悪い地形や風の強いときは揺れたり倒れたりします。素材が丈夫でも軽くなると安定性が低化するのは変わりません。
要は、上に載せるカメラの重さに対して、どれくらいの安定性があれば良いかということです。ですから、上に載せるカメラ(とレンズ)がどれくらいの重さになるかが重要です。300mmくらい以上のレンズになると重く長くなりますので三脚にも安定性が求められます。
一般的に中型と言われるセンターポールを上げなくてもカメラを目線にセットできるクラスの三脚なら安定していますが、大きくて重いので「気軽」ではありません。ハードに持ち歩くかクルマ移動になってしまいます。求める安定性、扱いやすさ、予算等を勘案して合理的に選ばなくてはなりません。
まず携帯性を考える。
「気軽に撮影」というマインドであれば、まず必要な条件は携帯性ではないでしょうか。
ケースに入れて気にせず持って行ける、あるいは最近のカメラリュックは外側に三脚を縛り付けられるようになっているものが多いので、そこに収まるサイズというのが良いのではないかと思います。三脚は軽いもの(1kg台)でも持ち歩くと意外に重いです。気軽に持ち歩いて気にならないサイズが良いと思います。そういう三脚は、トラベル三脚という分類販売されています。価格もそんなに高くなく比較的軽い(1~2kg程度)です。その代わり、もっと大きなものより安定性は下がります。そこを留意する必要があります。ただ超望遠レンズなどの重量レンズを使わない限り大きな問題はありません。
また、雲台と言われるカメラを乗せる台のところが2種類(自由雲台とレバーのついたタイプ)ありますが、自由雲台の方がコンパクトで重量も軽くなるのでお奨めです。三脚が軽くても雲台が大きいと重くなります。
注意するべき点。
軽い三脚の分野では、ビデオやスマホ用として売られているものがあります。軽くてコンパクトで、デジタル一眼にも使えないことはないのですが限界があります。雲台が縦位置に出来ないものもあります。
また、余り安価なものは精度が低いのでちゃんと取り付けても微妙に遊びがでて安定しない場合があります。携帯性があって軽くてもカメラが安定するものでないと使いにくいです。
脚はネジ式が良いかレバー式が良いか。
結論を先に言えば好みだと思います。私は、ネジ式は雪の中などで寒くて回せないことがあったので、今はレバー式のものを使っています。また、どちらでもなく脚を伸ばしてひねることでロックできるタイプのものもあります。このタイプの三脚はジョイント部がスッキリしてコンパクトです。
備考
備考-1:雲台の話
雲台にカメラをつける部分がネジになっているものと、クイックシュー(ワンタッチでつけられる)になっているものがあります。お奨めは「アルカスイスタイプ」といわれるクイックシューです。着脱がとても簡単で、なかば統一規格的な存在なので三脚を買い換えてメーカーが変わっても使えます。メーカーやモデルによっては形は似ていますが独自規格があるので注意が必要です。有名なブランドのマンフロットは独自規格です。

また、ネジ式のものには「アルカスイスタイプ」のユニット(Amazonで1000円台で売っている)を取り付けてアルカスイスタイプ対応にできます。
動画を撮る場合はレバー付の方が便利です。自由雲台でレバーが着脱式になっているものもあります。基本的には三脚と雲台が組み合わせることができる(ネジがあわない場合も変換ネジがある)ので、用途に応じて雲台を複数持っておくと便利です。
備考-2:私の場合
私は三脚は良く使いますが、鉄道にしても野鳥にしても基本的にあちこちを歩き回って撮るので携帯性重視です。その三脚で超望遠も使いますが、その際のマインドは「手持ちよりまし」あるいは「手持ちの補助」です。安定性は決して満点合格とは言えないのでその点に留意して撮っています。ただそれでも充分撮影は楽しめます。要は道具の使い方です。
携帯性の良いトラベル三脚を大小持っています。小さい方はトートバッグに入れていけるので、気軽に持って出られます。使うかどうか分からないけどとりあえず持っていくという感覚で持って行けます。あるいはその2本ともをリュックにつけて持っていくこともできます。雲台は大小や種類を持っており付け替えて使います。




また、一脚や低いアングルやテーブルでの撮影がしやすい三脚もあります。それらはすべて「アルカスイスタイプ」のシューで統一してあり、カメラにも望遠レンズの足(取付台がついているタイプ)にもオスシューをつけてあります。





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