ネットを見ているとたまに「スマホがあればデジタル一眼いらなくない？」的な意見も見かけます。
2025年時点でスマホのカメラは相当進化しています。ある面、日常を記録するならスマホでも十分と言えます。なのになぜわざわざ高価なデジタル一眼を買って撮るのでしょうか。それは趣味として「楽しむために写真を撮る」からです。「写真を撮る楽しさ」はスマホとデジタル一眼では比較になりません。
どんな写真をどのように写真を撮りたいか。
いくつか違いがあると思いますが、デジタル一眼の利点はやはり「イメージした写真を撮りやすい」ということではないでしょうか。この「イメージした」という定義が難しいですが、雑誌やネットなどで見かけるステキな写真や自分でイメージした写真を撮る場合に、スマホのカメラではやはり限界があります。
物理的な機能としては、シャッターのコントロールやボタンの形態から「早く動く物を撮りにくい」というのがあります。ましてや野鳥などで必要な「連写」はまったく無理です。
その形状からこちらが動きながらバシバシ撮っていくということもなかなかしにくい。スマホは基本的に小さなコンピュータでありモニターなので、カメラ機能はそこに組み込まれたひとつの附属機能でしかありません。デジタル一眼には「写真を撮るための形状と機能」があります。これは大きいです。
そして、スマホは「イメージした写真を撮る」ための大事な機能、シャッター、絞り、ISO感度、フォーカスのコントロールがしにくいことです。そういうことができるアプリもありますが、いちいち設定画面に戻って設定しないといけないので機能的ではありませんし、コントロールできる範囲も限られます。
さらにスマホはレンズ交換ができないので、望遠やワイド、超望遠などが使えません。アタッチメントとしてそういったレンズを取り付けるキットも売っていますが、あくまでお遊び程度です。特に望遠では画質が低下しますし取付や交換の扱いが面倒です。
そもそも全く違うもの。
つまり、スマホのカメラはあくまで日常の生活の中で、何かを記録するための機能としてスマホに付随しているものだと言うことです。デジタル一眼とは存在の意味が全く違うので、そもそも比較すること自体に無理があります。
今後スマホが進化して画質や画像処理がどれだけ進化しても、形態から来る物理的な制約はどうしようもありません。そして、その形態こそが「写真を撮る楽しさ」で重要でもあります。デジタル一眼を使ってカシャ、あるいはガシャっと撮る快感というのは、人間が物理的な生物である限り、その肉体的で感覚的な快感はスマホとは全く違うものです。「撮った」という満足感や快感は、写真を撮る上で大きな魅力です。
人それぞれ。
スマホとデジタル一眼は、どっちが良い悪いとか、いかにすべきだとかそういう事ではなくて、スマホでも全然良いという人はスマホで撮れば良いし、スマホでは撮れない写真を撮りたい人はデジタル一眼を使えば良いと思います。写真の守備範囲が違います。
デジタル一眼の価値。
先にも書きましたが、スマホでは撮れない写真が撮れるほかに「撮る楽しさや快感」がデジタル一眼の値打ちだと思います。これはスマホとは全然違う世界で、何万円、何十万円つぎ込む甲斐があります。
ただ、個人的な意見として、趣味においては実質中級クラスから上級クラス程度のモデルがあれば十分だと思います。それ以上のフラッグシップクラスのハイエンドモデルとの写真的な差は（特殊な写真を除いて）ほぼないと思います。本人のこだわりのためだけだと思います。お金が有り余っている人は別にして、ハイエンド機を買う分の予算をレンズや撮影旅行の費用に充てた方が写真の世界が広がるし楽しいと思います。あるいはいろいろな写真展に行ったり写真集を買って目を肥やしセンスを磨く方がずっと良い写真が撮れるし楽しいと思います。センスのない人がどれだけ高性能なカメラを使っても、画質が良いだけで「写真」として良いかどうかは別問題です。スマホで撮っていても良い写真を撮る人はいます。大昔、有名なカメラマンがいわゆる大衆向けのコンパクトカメラで撮った写真集がありましたが、とても風情のある良い写真ばかりでした。そういうことなのです。「写真」を楽しむなら機材はそこそこのもので十分だと思います。日本のカメラは初級モデルであってもどれも高性能です。特殊な写真でなければ初級モデルでも充分楽しめます。
スマホではなく、デジタル一眼で撮る最大の理由は「撮っていて楽しいから」です。
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