「写真撮影を趣味として楽しむ」という事においてのお奨めは間違いなくデジタル一眼ですが、どのグレードを買えばよいかという問題があります。
カメラのグレード
概ね、初級者用、中級者用、上級者用の３つに分かれています。
実売の価格帯は初級者用が10～20万円、中級者用が15万～30万円、上級者用が30万円～（いずれもレンズセットで）くらいでしょうか。
それと「画面サイズ」の違いがあります。これが分かりにくいのですが、「フルサイズ」というタイプと「そうでないタイプ（APS-C、マイクロフォーサーズなどメーカーによって違う）」があります。この違いは、説明が結構難しいのですが、簡単に言えば、同じレンズで撮れる画角が違うということです。分かりにくいですね（笑）。ただし、フルサイズというのは中級者、上級者用カメラに多く、後者は初級者～中上級者カメラの仕様になっています。また、それぞれに長所短所があり、フルサイズがすべてに於いて勝っているということでもないので話がややこしいです。
写真の品質については、高額なカメラほど良いと言えます。しかし、グレードの高いカメラというのは、プロユースに近づいていくので、重く操作が複雑になっていきます。細かい設定ができるので、写真のことを良く知っていないと使いこなせません。逆に言えば写真のことをよく理解していることを前提につくってあります。初心者には何の事か分からない機能がたくさんあります。
また、カメラが高画質になるほど、撮影ファイルのデータ量も多大になります。たくさん撮り始めるとパソコンなどのディスクがすぐにいっぱいになってしまいます。データ管理の知識がないとムダなデータでパソコンのディスクが占拠されてしまいます。
グレードの選択
初めて買うならおすすめは初級者モデル
上級者用機材と初級者用のカメラで撮った写真に著しい違いがあるかと言えば、乱暴に言えばありません。もちろん厳密に言えば違いはあります。価格が３倍も４倍もする機材で差がないはずありません。
しかしケースバイケースです。一般的な写真を考えると”著しい違い”はありません。写真の撮り方も同じです。ですので個人的には、まず初級者用カメラでスタートするのが良いと思います。
これは、飽きたらもったいないからとかそういう理由ではなくて、まず写真のことやカメラの事を理解するのに良いからです。いきなりグレードの高いカメラを買って使いこなせず、写真の楽しさを味あわずに飽きてしまうのは残念です。初級者モデルなら各メーカー間での差はほぼないと思います。どこを選んでも良いのではないでしょうか。カメラに詳しい人に中級クラスの方が画質が良いからと勧められて、結局使いこなせず重くて写真を撮らなくなったという友人もいます。
ただし、他の記事でも書いていますが、これから本格的に写真に取り組んで極めていくのだと決めている方は、予算の許す限り良い機材を買う方がよいです。初級者クラスの新品を買うより、同じ予算でクラス上の中古を買う方が良いと思います。それはできる事ややはり写真の品質が違うからです。この記事での話は、そこまで本格的にヘビーにやるのではなく、気軽にしかし、時にはちょっとこだわって撮ってみたいという感じです。
気軽に撮れるオートモードの良さ
初級者用には、たいがい「オート」と言うようなモードがあり、とにかくシャッターを切ればカメラがいろいろ判断してくれてそれなりに写ります（中級クラス以上にもPというオートモードがありますが、少し違います）。まずは気軽に撮れることが大切だと思います。撮った写真を吟味しながら、A（絞り優先）やS（シャッター優先）モード、さらにはM（マニュアル）モードで撮りながらご自身の写真の好みや趣向ができてきたら、求める機能のためにグレードアップすればよいのではないかと思います。この３つのモードを駆使するだけでいろいろな写真が撮れますし、この３つのモードを駆使するのは上級者モデルでも同じです。
初級モデルは軽い
初級者モデルは軽いのも利点です。あちこちに撮りに行くようになると重いと言うことがどれだけ足かせになるか良く分かります。上級者でも初級者モデルを持っていて、散歩にはそれを持って出るという人が少なくありません。
デジタル一眼が良いのは、メーカーが同じなら上級モデルと初級モデルと同じレンズが使えたりする点です（使えないレンズもありますが）。そういったこともデジタル一眼の大きな楽しみのひとつです。ボディだけグレードアップできるという事です（モデルによってはレンズが使えない場合もあります）。
メーカーの選択
日本のカメラメーカーは総じて高品質
日本のカメラメーカーは安くて高品質です。世界ブランドばかりです。ニコン、キャノン、ペンタックス、フジ、OM SYSTEM（オリンパス）という老舗に加え、パナソニック、ソニーという家電系メーカーのブランドもあり、いずれも老舗カメラメーカーに劣らない性能と人気があります。
ソニーのカメラ部門は、元はコニカミノルタという老舗のカメラメーカー（老舗コニカと老舗のミノルタが合併した会社）を買収したものです。パナソニックもライカというドイツの老舗メーカーと提携しています。
ライカは、言わずと知れたドイツの超老舗メーカーでマニアックなファンが多いブランドです。数々の伝説があり、カメラメーカーとしては世界最高峰で別格という感じですが製品も個性的で高額です。海外には他にも有名なメーカーがありますが、わざわざ未知の領域で高い買い物をしなくても日本のカメラメーカーを選ぶのがアフターサービスを考えてもよいと思います。
特徴
キャノンとニコンは、老舗カメラメーカーの双璧ではないでしょうか。ニコンは昔は軍需用だったそうで頑丈だという定評があります。両メーカーともプロにも定評があるメーカーで、初級者モデルも充実しているので、迷ったらどちらかを買えば問題ないのではないでしょうか。初級者モデルはAPS-C仕様です。
OM SYSTEM（オリンパス）は、サイズがコンパクトなので女性には扱いやすいかも知れません。逆に手の大きな男性には少し小さすぎるかも知れません。
フジフィルムは、社名にフィルムとありますが、デジタルカメラをつくっています。写真好きに人気がある個性的なブランドで初心者には少しハードルがあるかも知れません。
ソニーは、ミラーレス関係の製品が充実しています。サードパーティの製品も多く、アタッチメントなどが豊富です。動画を撮る環境が充実しているので、プロでも動画も撮る人はソニーを使っている人が多いです（個人的感想）。
パナソニックは、OM SYSTEM（オリンパス）と共にマイクロフォーサーズの製品が中心になります。レンズがライカ製です。
ペンタックスは、ミラーレスではなく一眼レフです。少しマニアックな面があるので初めて買う方にはおすすめしません。
ということで、グレードアップも視野に入れて無難に考えるなら、キャノン、ニコン、ソニーではないでしょうか。もし家に古いデジタル一眼があったりするなら、同じメーカーにすればレンズが使えたりします。
まとめ：キャノン、ニコン、ソニーのAPS-Cカメラをお奨めする理由。
まとめますと、これから写真を始めようかという方には、私はキャノン、ニコン、ソニーのAPS-Cのデジタル一眼（=初級者用）をおすすめします。これは正しいかどうかと言うことではなくひとつの考え方です。他のメーカーのカメラが良くないわけではまったくありません。「写真を長く楽しむ」という事を考えたときに、そのロードマップが描けるようにという考え方です。
＜おすすめの5つの理由＞
1.レンズ交換ができること
2.操作が簡単なこと
3.価格が安いこと
4.軽いこと
5.上級機種にグレードアップできること
1.レンズ交換ができること
「写真を楽しむ」という点でこれはとても大事です。なぜなら、ズームレンズと固定焦点のレンズでは、おなじ画角の写真でも味わいが違うからです。
2.操作が簡単なこと
他の記事でも書いていますが、中級期以上の機種になると、操作できることが細かく増えるのですが、写真のことをよく理解していないと何のためにある機能なのか分からないからです。使いこなせず面倒ばかりが先に立ちます。
3.価格が安いこと
予算が少なくて済むことは重要です。機材にムダな費用をかけず、その分で周辺装備を買ったり撮影旅行に行ったりする方が楽しいです。
4.軽いこと
重くて大きいカメラは毎回気合いを入れて持ち出さないといけなくなります。そうなると気軽に撮れません。軽くて小さいことは重要です。
5.上級機種にグレードアップできること
上記のメーカーはフルサイズのラインナップもあります。レンズの問題がありますが、こだわりが強くなるとフルサイズ機へのグレードアップがしやすいです。なぜなら同じメーカーだと操作の多くが共通しているからです。違うメーカーのを買うとまた１から憶えなければなりません。
また、多くの方がグレードアップする際に、最初のカメラは手放さず買い足すということが多いと思います。それは、下取りやネットで売っても初級モデルはあまり高く売れないからです。それより「気軽に持ち出せる」カメラをキープしておくほうが楽しいからです。上手く行けばレンズも共通で使えます（フルサイズ用のレンズはAPS-Cでも使えるものがあります）。
以上のような理由から上記のような買い方をおすすめします。しかし、繰り返しますが、これはあくまで考え方のひとつです。本格的にがっつり写真に取り組もうという方には適しません。
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